テーマ募集と選定一覧
2019年度プロジェクト科目テーマ一覧
※校地別に掲載しています。
※「テーマ」欄のリンクをクリックすると、各プロジェクトの詳細(学生へのアピール、履修条件等、先行登録に関する情報)を見ることができます。
京田辺校地開講科目
テーマ | 開講 期間 | 科目担当者 (団体名・企業名、氏名) | 科目代表者 (所属・氏名) |
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未来都市実現プロジェクト―グリーンスマートシティーを目指して | 春・秋 連結 | 【(株)東洋設計事務所】 齋藤 篤史 | 【理工学部】 千田 二郎 |
京都の景勝地をフィールドとする観光支援アプリの企画・デザイン・制作 | 春・秋 連結 | 木田 豊 | 【理工学部】 小板 隆浩 |
今出川校地開講科目
2019年度プロジェクト科目選定結果について
全学共通教養教育センター
趣旨と目的
同志社大学プロジェクト科目は全学共通の教養教育科目として2006年度より設置され、本年度で13年目を迎えました。 本科目の趣旨と目的は「実践型・参加型の学習機会を重視したプロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)を基本とする」ところにあり、地域社会や企業の方々にテーマをご提案いただき、地域社会や企業が持つ「教育力」を大学の正規の教育課程の中に導入することによって、学生に生きた智恵や技術を学ばせるとともに、「現場に学ぶ」視点を育み、学生が具体的・実践的プロジェクトに即して問題の「所在」と「解決」を考え抜く力を陶冶することにあります。本年度も、この設置趣旨と目的に基づき、プロジェクト・テーマの内容提案と担当者を広く学内外に公募しました。
応募実態
2019年度プロジェクト科目公募については、8月4日(土)今出川校地において公募説明会を開催し、本科目の趣旨、目的、応募手続き、授業実施要領などを説明しました。8月20日(月)より公募を開始した結果、締切日までに34件の応募を賜りました。応募者の内訳は、民間企業8件、自治体1件、NPO1件、その他(一般財団法人等 )7件、個人16件 、学内1件です。
応募テーマの内容については、
- まちづくりや地域コミュニティの形成、地域活性化に関するもの
- スポーツや音楽、芸術などを通した社会貢献、地域連携等をめざすもの
- 伝統工芸や伝統産業、食文化に関するもの
- 障がい者支援、子育て支援など、現代社会の課題の改善、政策提言に取組むもの
- ものづくり、商品開発などに関するもの
- 教育や医療、多文化共生、京都の現状などの課題解決をめざすもの
など、現代社会が抱える問題や課題を様々な視点から捉え、反映させたテーマが多く見られました。対象とするフィールドやターゲットも多岐にわたり、いずれのご提案も本科目の趣旨に合致しているとともに、学生の学びと本学の教育理念に添う内容であったことを歓迎し、プロジェクト科目へのご理解とご協力の厚志に、感謝申し上げる次第です。本学学生のプロジェクト科目への期待の大きさに応えるべく、今後も大学としての責務を果たしていく所存であります。
採否の選定
公募締め切り後、プロジェクト科目検討部会委員による予備審査の後、部会委員に加えて教育支援機構委員、全学共通教養教育センター委員、教務主任会議委員等、全学から選出された34名の委員による本審査1次、本審査2次、さらには面接審査で授業計画等を確認した後、2019年度プロジェクト科目テーマとして16件を採択することを決定しました。採択された科目の内訳は、開講校地別では京田辺校地2件、今出川校地14件、2件が春学期開講科目、14件が春学期・秋学期連結開講科目です。
今後のスケジュール
プロジェクト科目では、5名以上の履修登録者の確保の条件が満たされれば、正式開講となります。学生には、1月中旬に採択テーマの一覧表を掲示し、授業実施内容が固まり次第、科目説明会・登録者選考手続などについて掲示板、ホームページで周知する予定です。
総評
プロジェクト科目にご応募賜りましたことに深く御礼申し上げます。
本年度も例年のように新聞広告やパンフレットを中心に広報活動をおこなうとともに、公募説明会を開催し、公募の趣旨について説明させていただきました。公募説明会では、事前告知の通り、公募書類の作成に絞って具体的な留意点をお伝えするとともに、個別相談の時間を設け、テーマ公募書類の作成にあたっての具体的な疑問や問題点について応募者に説明させて頂きました。今後もご応募頂きやすいように、説明会の充実を図っていきたいと思います。
今年度も多彩なテーマが揃いました。地域連携、産学連携、現代文化支援、伝統文化支援、スポーツ振興等多岐にわたっており、こうした多様性を持ったテーマ、知的な刺激に満ちたテーマ、学生自身が愛着をもつことができるテーマが、学生の学習意欲やモチベーションの向上につながります。そして、そのテーマから自ら問題を見つけ、その背後にある課題を適切に設定して、課題解決に向かっていくことができるように教導する存在を求めています。われわれのこうした趣旨にご賛同いただき応募してくださった方々に、あらためて深く感謝申し上げます。
今回の応募テーマを改めて見ると、応募数の減少という傾向があるものの、応募テーマの質は高く、いずれも科目の趣旨や教育目的、授業計画においてユニークな提案であったといえるでしょう。こうしたテーマと担当者に恵まれたことで、次年度のプロジェクト科目がさらに充実した活動を実践していくことができることをおおいに期待したいと思います。
プロジェクト科目には、所属学部も学年も異なる多様な学生が集まります。プロジェクトに対する情熱の強さも、人それぞれです。はじめのうちはなかなか本心を見せず、顔色をうかがい合うばかりでしょう。しかし骨太のプロジェクトをつくりあげるためには、お互いが殻を破り、多様な才能をうまくかみ合わせていくことが必要になります。それだけに、チーム・ビルディングには十分な時間をかけなければならないでしょう。おそらく本当の信頼関係が構築できるのは、共同での実践的活動が始まってから、ひょっとするといくらか衝突してからかもしれません。科目の性格上、どうしても学期のはじめのうちは知識のインプットに偏りがちですが、そのような過程でも、できるだけ主体的な共同作業を通じて学びを深めていくことができるよう計画していただきたいと思います。また早い段階で到達目標(どのようになれば、このプロジェクトは成功したことになるのか)を明確にし、何のために自分たちが今これこれの作業をしているのかを、学生一人一人がハッキリ自覚しながら活動できるように方向づけることが、今後重要になってくるでしょう。何をどこまで指導し、どのくらい学生の自主性に任せるのか、判断に迷うことは多々あるかと思いますが、大局を見失わないようご指導いただければと願ってやみません。
なお、残念ながら不採択になったプロジェクトにも、テーマとしては意義深いものが散見されました。ただ、授業概要と授業計画の対応がとれていないケースや授業計画がおおざっぱで何をしようとしているのか把握できないケース、プロジェクトの目標と実施期間のずれがあるケース、最終成果があいまいなケース等も見受けられました。説明会などでプロジェクト科目の性格を必ずしもすべての応募者に十分なかたちでお伝えすることができなかったことが悔やまれます。こうした反省を生かし、授業運営のみならず公募の仕方についてもしっかり自己点検し、いっそうの改善に取り組んでいきたいと思います。今後ともご協力、ご支援下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
プロジェクト科目検討部会 部会長 伊達 立晶