学生さんへ | 私たちの暮らしは、多様な生物が織りなす生態系から得られる恵み(生態系サービス)によって支えられています。生物多様性を守ることは、私たちだけでなく、子どもたちやさらに次の世代にとっても大切です。生物多様性の保全は国際的に重要なテーマであり、日本でも、国や地方自治体や市民団体など、さまざまな活動主体によって、生物多様性の取り組みが進められています。
河川の草地は、市民が自然と身近にふれあえる場所であり、同時に多くの生き物の生息場所として、生物多様性保全に重要な役割を担っています。また、河川草地の植物(茅)は、古来、茅葺き屋根の材料や神社の茅の輪など、人々の生活や文化と深く関わってきました。しかし近年は茅の利用が減り、河川草地は無用の場所として、開発されて失われつつあります。本プロジェクトでは、そうした現状をふまえて、京都市内を流れる桂川でフィールドワークを行い、動植物の観察を通じて河川草地の自然とふれあい、共感力を養います。さらに、京都の河川環境の保全に関わる行政や自然保護団体、茅葺き職人の方々などとの交流を通じて、生物多様性保全について生きた情報を学び、受講生のみなさん自身が参加したいと思えるような実践型の環境学習プログラム(仕組み)を考案することを目的とします。そして、考案したプログラムは、小中学校の環境学習の授業や、地域の市民活動に活用して貰うことで、京都の生物多様性の保全に貢献することを目指します。実効性のあるプログラムをいちから作り上げる経験は、将来教職や環境系の企業などを目指すみなさんには、スキルアップにつながることが期待できます。 |
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