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2006年度プロジェクト科目テーマ

織りの世界―伝統技術の保存と伝承―

プロジェクト名織りの世界―伝統技術の保存と伝承―
科目担当者龍村 光峯
科目代表者文学部 山田 和人

学生さんへ京都の伝承技術の保存と継承の問題を、織りの世界のなかで考え直してみたい。故郷に錦を飾るということばにある「錦」を織り上げる技術も、すでに限られた職人によってしか伝承されなくなってきている。技術の風化はわれわれの予想をはるかに上回って進んでいる。「手機の伝承技術」が滅亡寸前の危機的状況にあることを憂い、平成6年に「日本伝統織物保存研究会」を主催し、対象となる織物はもちろん、原材料、機道具、機装置などを総合的に復元し、それをビデオなどで記録し、後世に残すとともに、後継者育成にも取り組んでいる。古典を踏まえ、かつ伝承技術を駆使しつつも、伝統文化の再活性化を目指して活動をしている。こうした現状のなかで、京都の伝統技術をいかに現代社会のなかに生かしていくことができるのか、学生諸君とともに考えていきたい。
そのために、まず、実際のすぐれた実物に触れてもらうことから始めたい。古代裂のコレクションを実際に見てもらい、その卓越した技術に触れてもらう。制作の現場に立ち会い、その場で伝統技術の価値と可能性について考えてもらいたい。そして、錦の織物の制作は、高度に専門分業化されており、修練を積んだ匠達が各々の分野を受け持ち、最終的には織師に委ねられる。その製作工程には、企画製紋、製糸、撚糸、精錬、糸染め、糸繰り、整経、緯巻き、金銀糸金銀箔、機準備などの工程があり、その工程の一つ一つを追っていくことにより、各々の伝統技術に宿る文化や智慧を学びとれればと考えている。
こうして出来上がる美しい錦織の複雑で高度な制作工程を、取材・調査し、それをビデオに撮影して、最終的には、織りを通して、京都の伝承技術のすばらしさを世界にアピールする伝統文化サイトを立ち上げることをめざす。学生が主体となって、伝承技術をデジタルアーカイブ化する例は珍しく、注目される試みとなるだろう。なお、webサイトを立ち上げるための技術的な支援は、株式会社ゴーフィールドが担当する。ホームページの企画、立案、素材の撮影、ページレイアウト等、サイトの立ち上げに必要な知識と技術の支援を行うことになっている。こうした社会的な連携を重視しつつ、プロジェクトを進めていきたい。

開講校地今出川校地
開講期間春学期・秋学期連結

受講条件 
学生が準備(持参)するもの筆記用具必携
学生の費用負担額
凡その目安とお考え下さい
あり
主に交通費 工房まで/1回500円程度
授業時間以外の非定期授業の有無あり(6回以内 1セメスター)
※回数は変更する場合もある
保険(340円)加入要否必要あり
学外での授業の有無あり(6回以内 1セメスター)
※回数は変更する場合もある

定員内の場合の選考方法登録志願票と面接で選考する。
定員を超えた場合の選考方法登録志願票と面接で選考する。ただし、30名を超えた場合は登録志願票で選考する。