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2018年度クラスレポート

未来都市実現プロジェクト―グリーンスマートシティーを目指して

Vol.1 2019.2.4

コンセプト

けいはんな学研都市(関西文化学術研究都市)は京都、大阪、奈良の2府1県にまたがり、アジアを代表する文化・学術・研究の中核拠点として世界的な学術研究機関や国際的な交流機関の集積が加速しています。
本プロジェクトでは、けいはんな学研都市を拠点としてグリーンスマートシティーすなわち自然の連環の中で環境の持続可能性を重視する街の実現を目標として交通制御、シェア電サイクルおよびエネルギー地産地消推進イベントの開催の3つのテーマからアプローチした活動を行いました。

けいはんな学研都市を視察
けいはんな学研都市を視察
授業風景
授業風景

【1. 交通規制】

交通施策における方法の一つとして、信号による停止の時間的損失および加減速のエネルギー消費量の削減が考えられます。上記を実現するために同志社前‐祝園間を結ぶ山手幹線と府道22号線の並列した道路特性に着目しました。通勤時間と予測される07:00~08:00において山手幹線および府道22号線の通行台数を計測し、同志社大学方面の通行台数が約3割多いことが分かりました。そこで、山手幹線の祝園から同志社方向の信号制御を行うことにより走行車両のNon-stop化を図りました。これにより山手幹線が60km/hで定速走行可能となり、信号停止回数が減少し、スムーズな走行環境が実現されます。この結果から山手幹線に走行車両を誘導でき、車線が少なく混雑が発生しやすい府道22号線における交通量を減少させることができると考えられます。以上より、山手幹線と府道22号線全体でのエネルギー消費量の削減および時間的損失の改善が期待できるため、本制御の有効性が確認できました。最終的に信号制御の方法について交通関係行政機関に対して提案を行いました。

【2. シェア電サイクル】

交通手段における方法の一つとして、電動アシスト自転車の共有化と太陽光発電を融合した新たなモデル事業を検討しました。「けいはんな」地域、特に京田辺市には同志社大学があり、京田辺市の住民が電車で周辺都市へ移動する時間帯と市外から学生が同志社大学へ通学してくる時間帯は分かれています。この地域特性を利用して、交通手段をバス等からよりグリーンかつスマートにする電動アシスト自転車のシェア構想「シェア電サイクル」を構想しました。けいはんな全体の事業の先駆けとして同志社大学と三山木駅での実施を検討しました。シェアサイクルに要する自転車の導入数、および事業の優位性を把握するため、三山木駅でバス利用者・自家用車での送迎人数を計測し、およそ300人程度の利用者が見込まれることが分かりました。これらの人数がシェア電サイクルを利用すると、年間約10トンのCO2 削減が可能と試算されます。またこのプロジェクトを実施するにあたり、初期費用、運用費用、売上高および環境省による補助金からPayback期間(利益により初期費用を回収するまでの期間)を算定し4.87年と算出されました。この結果から事業化が容易であると把握できたため、京田辺市対して提案を行いました。

【3. エネルギー地産地消推進イベント企画】

けいはんな学研都市は「文化・芸術・研究の新たな展開の拠点づくり」を実現するために企業・研究機関連携を掲げた都市づくりを行ってきました。また、再生利用可能エネルギーをはじめとする分散型電源の効果的・効率的利用の取り組みによりエネルギーの安定需給を図り、けいはんなにおけるエネルギー自給の実現を試みてきました。そこで我々は、けいはんな学研都市で太陽光システムの存在および有能性を知ってもらう場を設け、また住民と企業・研究機関がより連携できるきっかけを作ることを最終目標にしました。 その第一歩として住民が自ら積極的に参加できるイベントを企画および実施しようと考えました。この企画の1つ目がソーラーカーづくりです。実際に子供たちにソーラーカーを作ってもらうことで、太陽光によって得られたエネルギーの有用性を認識してもらい、新エネルギーについて学ぶきっかけを作ります。2つ目が科学マジックショーです。子供たちが真似をすることができる簡単な科学マジックを行います。科学的なシステムを解説し、種明かしをすることで科学への興味を抱いてもらうことを目標としました。これらの企画を2019年1月26日(土)に開催された「けいはんな科学フェスティバル」で行いました。

メインの成果

春学期は、 エコとは何かを考え、 実施していくテーマを決め、 3つのテーマに分けて計画を決めるだけで時間が過ぎてしまいました。 しかし、 秋学期は3つのテーマ共に春学期に議論した内容を実施していくことができました。 17人のメンバーでグリーンスマートシティーや都市開発などの専門知識を持っている人がいない中でグリーンスマートシティーとは何か、 そのためにはどのようなテーマをやっていけばいいかを考えることができました。 さらに座学では得られない授業での議論、 プロジェクトでの活動はメンバー全体に大きな刺激をもたらしました。

けいはんな科学フェスティバル

マジックショー
マジックショー
手作りソーラーカー
手作りソーラーカー

報告者:クラスレポート担当  三浦颯士さん(理工学部4年次生)