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2015年度クラスレポート

京都が培ってきた文化産業の素材・技術のリデザインと発信

Vol.1 2015.8.12

プロジェクトの目的
私達は京都の「伝統産業」の工房が培ってきた伝統技術、それを必要としている企業が共に今のニーズにあったモノを作るという、「文化ビジネス」の確立を目指し、取り組んでいます。「文化ビジネス」とは伝統的に培われてきた既存の事業を維持しながらも、その素材や技術を使って現代のニーズに合わせた新たな用途や市場を見出し、かつ現代のビジネスの仕組みに沿って製品の生産を行うことです。春学期は主に現代のビジネスの構造の理解と、「文化ビジネス」を実践して成果を上げている工房や、既存の事業のみを維持している工房へのインタビュー、そして現代のニーズや商品開発の流れを知るために企業へのインタビューを重ね、伝統産業の現状分析、企業が持つ伝統産業にたいしての見解の分析を行いました。
工房見学
春学期中に、伝統産業の素材や技術を知るために10社の工房見学に行きました。そこでは伝統産業が培ってきた特性や素晴らしさ、生産者の高齢化や時代の流れに伴う市場の縮小など現在陥っている状況などについて直接お話を伺いました。素材・技術の知識を得る中で、京都の伝統産業の素材には、繊細な柄や鮮やかな色彩を特性とするものが多いということがわかりました。
工房見学1

工房見学2

企業訪問
春学期は工房見学だけでなく、私たちが伝統産業の素材を提案したいと考えている業界であるアパレル服飾雑貨の企業にインタビューを行いました。商品開発の流れや、企業がどのような素材を求めているか、伝統産業の素材にたいしての見解を伺いました。インタビューを通して、現代のビジネス構造において、伝統産業の素材についての情報が他の素材に比べて手に入りにくいことが分かりました。また、伝統産業の素材は現代の規定にそって製造されていないため、企業としては素材を商品に取り組みにくい事も分かりました。
春学期で学んだ事
京都の伝統産業の多くが時代に合ったものを生み出せず、ビジネスとして成り立っていない。その原因として、伝統産業の企業は、伝統的に培われてきた素材・技術を既存の用途や市場に向けてのみ行っていることが多い。そのため、現代の人々のニーズをキャッチ出来ず、人々の生活に入り込めていない。一方で、ホームページや見本帳、カタログなど情報発信の体制を整え、軸はぶれずに新しいことに挑戦し時代に合ったものを生み出し、成果を上げている企業が存在することを学びました。
成果報告会の振り返り
成果報告会の振り返り
当日は多くの見学者の方が来てくださり、会場の熱気、本科目への期待度の高さがみてとれる様でした。今回の報告会では、各自がそれぞれの言葉でプロジェクトの本質を伝えることに集中していたことや、入念な前準備の効果もあってか、質の高いプレゼンが出来ていたように思います。想定していた質問とは違った質問や、受講生だけでは気づかないような鋭い質問もあり、それらは私たち自身のより深い学びに繋がるのではないかと感じています。外部に報告することの大切さを改めて実感しました。
また、今回の報告会では中間報告として最優秀賞を頂くことが出来ました!これは受講生各々の取り組みと、周囲のサポートがあってこその結果だと思います。担当者・代表者・SAの皆様、いつもありがとうございます。これに慢心することなく、受講生一丸となり、秋学期の活動に励みたいと思います。
秋学期にむけて
春学期に分析した伝統産業の現状分析や企業のインタビューをもとに、伝統産業を文化ビジネスにつなげる仮説案として展示会をあげました。秋学期はこの仮説案を検証する予定です。その前に、展示会に出展する素材を探し、見本帳やカタログといった企業にとって素材が見やすい形に整理し、展示会でどのように企業に素材を提案するのが有効かを考える事が必要です。また同時に、ビジネス構造の勉強やロジカルにものごとを考える力をつけて、検証をより濃いものにしたいと考えています。検証を重ね、成果報告会までには伝統産業が文化ビジネスとして成立する方法を導きだす事を目標に秋学期は精進します。

報告者:履修生 遠藤 綾乃さん(政策学部3年次生)