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2014年度クラスレポート

絵本百花~最愛の1冊に出会うプロジェクト~

Vol.1 2014.8.8

私たちは、絵本の多様性をイベントの企画や実施を通して主体的に学び、メンバーそれぞれが自分にとってかけがえのない絵本を見つけるというテーマで活動しています。
        
絵本百花~最愛の1冊に出会うプロジェクト~画像1
     
絵本百花~最愛の1冊に出会うプロジェクト~画像2


春学期は主に、ミニイベントと幼稚園イベントの企画、実施を行いました。

ミニイベントは6月8日に開催。メンバー内で3つの班(各6名)に分かれ、それぞれの班が企画実施を行いました。そして、各班それぞれの絵本に対する視点をメンバー間で共有しました。イベントの内容は、「すごろくをしながらオリジナル絵本を作製する」、「絵本の朗読に合わせて絵本を奏でる」、「身近なものを使用して書店のような絵本コーナーを作る」の3つでした。絵本の読み聞かせイベントの経験をもつメンバーはいますが、それ以外で絵本をモチーフにしたイベントを考えるというのは誰もが初めての経験で、暗中模索の中何とか形にしたという印象です。

幼稚園イベントは7月17日に開催。イベントタイトルは、「絵本クッキング~おいしい絵本を作ろう~」です。ミニイベントから得たことを参考にして「オリジナル絵本を作る」、「園児が主体的に動く」、「身近にあること」の三要素をもとに企画を進めていきました。内容は、手作りで空白のある絵本を用意し、絵本に沿って、お仕事をしてお金を稼ぐところから料理を作るところまでの、ストーリーの一連の流れを園児(30名)と一緒に行い、最終的に自分の絵本を完成させるというものです。結果として、園児が嬉しそうに絵本を持って帰る姿を見ることができて、イベント自体は成功であったと思います。

これら2つのイベントを通じて、私たちは先入観にとらわれずに絵本と接することの重要性について気づきました。受講はじめの頃、絵本の魅力は「作者の意図」であると考えるメンバーが多くいました。しかし、授業を通じて多くの絵本を読んでいく中で、一つのメッセージを伝えようとする絵本のほかにも、かわいいイラストに力を入れている絵本など、絵本によってそれぞれ特徴(魅力)を持っていることに気づきました。今から振り返ると、受講当初の私たちは受験国語のように絵本を知らぬ間に読んでしまい、著者の言いたいことを考えながら読むべきであると考えがちだったのかもしれません。

そのなか、ミニイベント終了後の6月下旬に、受講3ヶ月でどのように絵本の読み方が変化したかを調べるため、本プロジェクトのメンバー全員(18名)にアンケートを実施しました。「絵本を読む際、何を重要視すべきか」という項目において、作者の意図やストーリーを抑えて1位は「イラスト(世界観)」でした。同志社幼稚園でのイベント実施後の7月中旬にも同様のアンケートを実施。全体の結果はほぼ変わりなく1位は「イラスト(世界観)」でした。この結果もまた私たちの先入観かもしれず、イラスト(世界観)と、ストーリーや作者の意図の関係性などさらに細かく見ていく必要があると考えています。また、メンバー間でのアンケートの他にも教室外での調査の必要性も感じています。

こうした経験と気づきを通じて、私たちは今後秋学期開催のイベント(11月中旬予定)の企画実施および、絵本への理解を深めていきます。秋学期のイベントでは、子どもたちだけでなく、おとなの方などより多くの人に絵本の魅力を伝えることができるようなものにしようと企画しています。そしてメンバーそれぞれが、卒業後、人生の岐路にある時や困難に立ち向かう時にふと思い出して背中を押してくれる、そういうかけがえのない絵本と出会うための素地を養おうと考えています。

報告者:CNS担当 二木 理緒さん(社会学部3年次生)