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2018年度クラスレポート

絵本は心のごちそう・プロジェクト

Vol.1 2018.8.8

プロジェクトの目標・目的

イベントを進めるうえで、科目スタート時の「絵本を通しての『楽しさの提供』」という目標に加え、「絵本の世界が、自分の体験になる」という新たなテーマを設定しました。また、「読む」、「見る」以外の絵本の魅力を見つけながら絵本を通して想像力を養い、人とのつながりが広がるようなイベントの提供を目指します。

活動内容

春学期は、二つのイベントを行いました。
① 京都市上京区の町屋イベントスペースBe京都で行った履修生のみ(履修生18名、教員2名、SA1名)を対象としたプチイベント
6人ずつの3班に分かれて、それぞれが絵本を用いたアクティビティーを企画し、発表しました。A班は、有名な絵本を対象者に一冊ずつ用意し、ストーリーの中から「誰が・誰と・どこで・いつ・なぜ・何をした」を抜き取り、その内容を混ぜ合わせることでストーリーのごちゃ混ぜ感を楽しむアクティビティーを行いました。B班は『てぶくろ』という絵本を題材にして、登場人物がだんだん増えるという絵本の特徴を生かし、タイトルや次に登場する動物を当てるクイズを交えた影絵劇を行いました。C班は、バムケロシリーズの『バムとケロのお買い物』を題材としたすごろくを作りました。すごろくに必要な盤やサイコロ、駒を手作りし、人生ゲームのように升目に書き込まれたポイントを稼ぐことで勝敗を付けることにしました。さらに、駒がそのマスにとまれば、ミニゲームをするミニゲームマスを作りました。

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アクティビティーの内容は様々でしたが、3班の発表は観客も巻き込むことができる参加型という点で共通していました。

② 同志社幼稚園での園児(31名、年長組)を対象としたイベント
同志社幼稚園ではプチイベントで行った中から、2つのアクティビティーを提供しました。履修生は「絵本コラージュ」(A班のアクティビティー)と「絵本すごろく」(C班のアクティビティー)に分かれました。また、園児さん向けに「絵本コラージュ」を「絵本を絵にしてみよう!」というアクティビティーに改良し、「絵本すごろく」は「絵本de人生ゲーム」と改めました。扱う絵本はバムケロシリーズで揃えました。

「絵本を絵にしてみよう!」では、履修生は3人ずつ園児さんは5~6人ずつの3つの班に分かれて、それぞれ『バムとケロのそらのたび』『バムとケロのさむいあさ』『バムとケロのもりのこや』の読み聞かせを行い、その後に絵本に登場するキャラクターの名前が書かれたくじと、キャラクターが行う動作を書かれたくじの2枚を引き、その内容を絵に描いてもらいました。自分自身もその絵の中に描いてもらい、絵本の中に自分も溶け込ませ、絵本の世界を自分の経験のように感じてもらうことを目的としました。

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「絵本de人生ゲーム」は、「絵本を絵にしてみよう!」と同様に履修生は3人ずつ園児さんは5~6人ずつの3つの班に分かれ、はじめに『バムとケロのおかいもの』を読み聞かせしてからその絵本を題材にして作った人生ゲームを楽しんでもらった。人生ゲームはプチイベントの時よりも升目を減らし、ミニゲームマスを増やすことで園児さん向けに改良しました。ポイントマスやミニゲームでポイントを稼ぎ、全員がゴールした時点で優勝した園児さんには大きなメダルをプレゼントし、そのほかの子には参加賞として小さいメダルをプレゼントしました。

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秋学期に向けて

園児さんとのイベントを終えて、絵や形にのこるものへの注目度の高さを感じる一方で、ストーリーを伝えることの難しさを感じました。実際に手や体を動かし体験する企画によって新しい楽しさ提供できるという強みも見えました。秋学期では、ストーリーの伝えやすい絵本の選別やイベント内容をシンプルにするなどといった改善に取り組み、引き続き「実際に体験する」ことにこだわったイベントにしていきたいと考えています。

報告者:クラスレポート担当  佐用光七海さん(グローバル地域文化学部2年次生)

Vol.2 2019.2.7

科目の目的

履修生自身が絵本の新しい魅力の発見を図りながら、絵本を通して想像力を養い、人との関わりを広げていき、「絵本の世界が自分の体験になる」という楽しさの提供をすることを目的として活動しました。

プロジェクト概要

春学期は、履修生のみを対象としたイベントと、同志社幼稚園でのイベントを通して見る・聞くという絵本の魅力を発見しました。しかし、絵の魅力だけでなく物語の魅力を伝えるには、不十分という反省点が挙げられました。そのため、秋学期には春学期のイベント内容を踏まえ、それらをさらに発展させた形で、主に子供を対象とした「めっちゃ木になる~お気に入りの絵本と出会おう~」というイベントを、イオンモールKYOTOにて実施しました。日常の空間とは異なる特別な「絵本のある空間」に来場者自身が入り込める「没入型」のイベントにするため、絵本を使用した3つのアトラクションを用意しました。

秋学期活動内容

①揺らす木
揺らす木

子どもたちが対象年齢(0~3歳、3~6歳、6歳以上)に合わせた小さめの木を揺らし、仕掛けによっておみくじが落ちる。おみくじを持って次のコーナーへ。

②シアター

子どもたちはおみくじを持って、シアターに行く。案内人(履修生)がおみくじ(熊や音などのイラスト)の内容と参加者の年齢を聞き出す。猫さん(パペット)が子どもたちのために絵本を2冊選んでくれる。そのうちからおみくじの内容に沿ったものか、興味のあるものを一冊選ぶ。
主体性を重要視し、子どもたちの読みたい!という気持ちを引き出しました。

シアター
シアター
③読み聞かせ
読み聞かせ

選んだ本を読む。文字の読めない子には履修生が読んであげる。
子どもたちが、初めて会った別の子が読んでいる絵本にも興味を示している様子もうかがえました。

④寂しがりやの木
寂しがりやの木

読んだ本を木の口に入れてあげる。木が本の内容に応じて感想を参加者と共有する。最後に感想カードを記入して、寂しがり屋の木の頭に感想カードをつけて華やかにする。
寂しがり屋の木とどんな物語だったかお話しすることで、面白かった・絵本が好きになったという感想を聞き出せた。子どもたちは、寂しがり屋の木と話すことで、とても楽しんでくれました。

寂しがりやの木

秋学期成果

特定の絵本を履修生が選ぶのではなく、多数の絵本の中から偶然的に新しい絵本と出会う機会をつくることで、新しい絵本と出会うということが絵本の新しい魅力だと発見しました。自分で2冊の絵本のなかから選んだことでその絵本に特別感が生まれ、絵本を抱きしめている様子が見られました。その様子こそが、こどもたちにとって絵本は心のごちそうだったのだと思います。また、読むスペースでは絵本を親が読み聞かせする様子もうかがえて、子どもたちはこんなことに興味があったのかという親にとっても新しい発見があった様子でした。親子で絵本を楽しめる機会を提供できたことは、もう一つの成果だったと思います。春学期の反省点では、絵だけでなく物語の内容の楽しさも味わってもらう必要性に気づきましたが、秋学期のイベントでは「この絵本は長いから、別の絵本がいい」と絵本の交換を求める子がいて、物語も楽しもうとしてくれていることが分かりました。新しい絵本との特別な出会いが、子どもたちに絵本のたくさんの魅力を提供したのだと思います。

報告者:クラスレポート担当  佐用光七海さん(グローバル地域文化学部2年次生)